現時点では最強?…GA-VDII12/PCI→SLI

スポンサーリンク

1.導入編

 半年ほど前にVoodoo2を購入してから、英語版にもめげずPC用3Dゲームをプレイすることが多くなってきました。その後、CPUもPentium2に変更して、さらに性能アップを計ってきました。その後、RIVA・TNTが発表され、Direct3Dの性能では追い抜かれたVoodoo2でしたが、これにはSLI(Scan-LineInterleave)という機能があります。

 テレビなどでは、画面を1秒間に何度も書き換えることによって、動画再生を行っていますが、このSLIの場合、Voodoo2を2つ使用して、交互に描画を行います。つまり、理論上は描画スピードが2倍になるという訳です。実際にはCPUのスピードがネックになってそこまでのスピードはでません。また、Direct3Dには対応していません。しかし、フレームバッファが倍の8MBになりますから、Voodoo2・1枚では無理だった1024*768の解像度にも対応します。そして、PCIバスを2つ使いますから、その点でも制限が多いです。Obsidian2 X-24と言う、Voodoo2・2つを1枚にまとめた特殊なボードならPCIバス1つでSLI出来ますけど(最近叩き売りされているのは何故?)。

 で、最近Voodoo2も安くなってきた中で、その中でも何故か値段がやけに下がったのがI/OデータGA-VDII12/PCIバルク版なのですが、怪しい台湾製より、ちゃんとした国内メーカー品の方が安いってのは異常です。その前に持っていたCreative3DBlaster Voodoo2をもう一枚買うより、このGA-VDII12/PCIを2枚買って、前に持っていたのを売った方が安く上がるっていうんだから。一消費者としては嬉しいんですけど、どういうからくりになっているのやら。どうやらI/Oデータの方では、今後ドライバのアップグレードなどはしない様な話ですし、ホームページ上でのドライバの配布も行われていません。おそらく、在庫処分のようなものなんでしょうね。

 この写真の側がGA-VDII12/PCI側が3DBlaster Voodoo2です。ボード自体の設計はリファレンスボードと同じですが、GA-VDII12/PCIではビデオ出力に対応しているので、それに関する回路が追加されています。

 付属のドライバは発売以来全くバージョンアップしていないので、最新のリファレンスドライバの方が新しい分高性能だったりします。だから、私も今はリファレンスの方を使っています。ビデオ出力も一度試してみたいとは思っているんですけどね…。

 実際の取り付けはこのようになっています。うちのマザーボード、AbitBH6PCIバス5本と拡張性の優れたマザーボードなのですが、うちはすでにLANSCSISOUND3つ使っていますから、Voodoo2を2つ差して全部埋まる計算。また、一番下のPCIスロットはIRQを使わないボードしか使えませんから、Voodoo2を下2つに持ってきました。そして、2つのボードをSLIケーブルで繋いでます。これで、2つの同期を取っているわけです。

 これでもとりあえずは動いていたのですが、どうもPC自体が不安定になりました。ゲームをやっているとテクスチャの色が化けたり、時には、画面の表示がグチャグチャになったりしました。この時でもWindows自体はちゃんと動いていましたから、問題はグラフィックボードです。どうやら、単体でもそれなりに発熱するVoodoo2でしたから、2枚ならべて動作させているとお互いに暖めあっているようで(^^;。そこで、早速8cmファンを買ってきて、横から風を送って見るとバッチリ安定しました。ヒートシンクなどは取り付けていませんが、そこまでする必要はないみたいです。

2.ベンチマーク

 さて、実際にベンチマークを取ってみたところ、640*480の解像度では殆ど差はありません。高解像度でビデオカードの処理が多くなったときに、このSLIが効果的に働くようです。そこで、今回は640*480でしか動作しないFinalRealityでは無く、800*600で計測できる3DMark99・Liteを使ってみました。以下がその800*600 16bitカラーで計測したものです。

 参考にG200の結果を混ぜているのですが、G200もドライバのバージョンアップ、そして設定の変更によって性能が上がっています。また、AGPを使っているのでテクスチャをメインメモリに置ける分、テクスチャサイズが16MBの場合ではVoodoo2を大きくうわまっています。さすがに32MBの大きさになるとチップの性能が出てVoodoo2と同じになっていますが。

 さて、実際のSLI時の性能ですが、グラフを見て分かるとおり大幅に性能が上がっています。この3DMark99自体はDirectX6上で動いているのですが、Voodoo2のドライバはDirectX5対応のものです。DirectX6対応の正式版ドライバがでたら、どこまで性能アップするやら楽しみです。β版の性能が今一だったのが気がかりですが…。

 さて、次はVoodoo2ネイティブのAPI・GlideDirect3Dに対応したレースゲーム、MotorHeadでベンチマーク用Bench1を使って計測してみました。ちなみに、GlideDirect3Dでは、画面のエフェクトが違うので、直接比較する事は無意味ですのでお間違いなく。

 上のグラフがDirect3Dの場合、下のがGlideの結果です。800*600の場合、Direct3Dでは殆ど上がってないのに、Glideの場合だと性能がハッキリ上がっています。これが、SLIの真の実力だと思っていいようですね。1024*768の場合でも、800*600と殆ど変わらない結果を残していますから。

 このように、実際に有効だとそれなりの性能を発揮するSLIですが、Glideに対応していないソフトではその性能を発揮しにくいのが現状かも知れません。まぁ、1024*768の高解像度でもそれなりにゲームが楽しめるようになるだけでも、価値はあると思います。

(1998/11/28)

3.画質向上のため改造

 その後は特に問題なく使えていたのですが、DirectX6専用ゲームで、テクスチャにゴミが出てくるトラブルが発生しました。DirectX5対応のドライバを使えば消える(らしい)のですが、それ以降のどのドライバを使っても同じ現象が発生しました。噂ではこのGA-VDII12/PCI固有の症状らしく、いずれはメーカーが対応するだろうと思っていました。

 その後、IOデータの方からホームページでアナウンスがあり、「ドライバでは直らなくて、ボードに対策を施すことによって改善されるので、希望者は送って欲しい」という事になりました。でも私の買ったのは白箱のバルク品ですし、ユーザー登録はしてません。それにいちいち送るのも面倒だなと思っていると、Voodoo Japanの掲示板で、同じ症状が簡単な加工で直ったという書き込みがありました。

 これはGA-VDII12/PCIの裏ですけど、赤くチェックしたところにコンデンサが取り付けてあります。どうやら基盤設計の時点では全く考えられてなくて、何らかの理由で後から取り付けられたもののようです。私の場合は両方とも1つだけでしたけど、中には2つ取り付けられたものもあるそうです。で、これを取り外すと上記の異常が改善されるというのです。

(注:これは改造になるので保証が受けられなくなります。実行する場合は自己責任の上でお願いします。)

 拡大したのがこの写真ですけど、パターンの一部に強引に取り付けてあるだけ。そして、シリコンで簡単に固定されています。

 最近これがFSB112MHzについてこなかった事もあって、もし失敗して壊したとしてもいいかという駄目もとな気持ちで挑戦。元に戻しやすいように片方の足を真ん中で切断して絶縁。そして以前と同じ条件で試してみると、本当に改善されていました。比較するとこのような感じです。

 比較のはCOLIN McRAE RALLY。ゲーム中の画面をキャプチャして、3倍に拡大しています。使ったドライバは一つ前のリファレンスです。

●切断前:

●切断後:

 見てもらうと分かるとおり、以前はかなりゴミが出ていますが、切断後は全く出なくなりました。それにしても、何故こんな物をつけたのでしょう。メモリの側についていますから、その辺りの信号を制御していたんでしょうけど、結果を見る限りでは逆効果になっているような…。

(1999/06/10)

4.ヒートシンク取り付け

 最近、セガラリー23DMark99MAXなど、3D処理の重いソフトを動かすと、必ずと言っていいほどフリーズするようになったので、Voodoo2の熱暴走を疑って、3つのチップにヒートシンクを取り付けてみました。

 SLIにしているので、並んだPCIバスに差しているのですが、接触することもありませんでした。例によって端から8cmのファンで風を送って冷却しています。

 これで、少しは放熱効果が高まったハズなんですけど…結局変わりませんでした。最近では普通にインターネットをさまよっている時でもフリーズしたり、リセットしたりするので、やはり電源関連に問題がありそうです。

(1999/07/11)

スポンサーリンク