NW-MS9→NW-MS70DとなにげにSony製メモリオーディオプレイヤーを使ってきた私でして、内蔵メモリタイプである故の小型軽量さは十分気に入っているのですが、その為に犠牲になっている保存容量の少なさが唯一の不満点。内蔵HDタイプなら容量という意味では問題ないのですが、持ち歩くものに振動に弱い回転体であるHDが入っているという事はどうも嫌で、魅力を感じつつ敬遠してきました。
その後、4GBのMicroDriveを内蔵したNOMAD MuVo2やらiPod miniが登場したり、徐々に内蔵HDタイプにも小型軽量化の波が押し寄せていて、そろそろ買い時かな…と思っていた頃に登場したのがこのNW-HD1。1.8インチ20GBなHDを内蔵しているとは思えない小型軽量加減に、最大30時間のスタミナ再生。一目で欲しくなってきました。
直前まではOgg Vorbisも再生できるiAUDIO M3が候補にあがっていたのですが、日本製ではない為に日本語ファイル名の扱いに不具合があったり、素質はいいんですが製品としてはまだ未熟成な印象があって今後のファームウェア次第かなという感じで、いまいち踏み切れませんでした。
あとiRiver H300はちとデザインが野暮ったかったり直前の工作員騒動とかがあったりして敬遠してしまい、残りはやはり世間的には一番売れ筋のiPod。iPodにはiTuneという専用ソフトがあってそれとの連携の絶妙さが魅力の一つではあるのですが、私の場合PC上ではflac形式なファイルをfoobar2000からASIO経由でProdigy 192にて出力していて、新たにiTuneが入るという事はありませんし、flacですから必ずフォーマット変換が発生します。それがiTune&AACか、SonicStage&ATRAC3かの違いだけで、私にとっては使い慣れたSonicStageを選ぶ事は自然な成り行きでした。
事前にソニータワーで実機をさわって操作感を確かめた後さっくり予約。そして念のため延長保証をつけつつ購入しました。ちょうど同じ日に内蔵メモリタイプのNW-E75/95やらHi-MDも発売されていましたが、やはり注目度という意味ではこれが一番の様子。
今年はウォークマン(TPS-L2)の発売から25年という事で、その記念モデル的存在として発売されたのがこちらのNW-HD1。
1.8インチで20GBのHDを内蔵していながら、本体サイズは89*62.1*13.8で110gと小型軽量。それでいて48KbpsなATRAC3plus再生時には連続30時間の再生が可能となっています。秘密はカスタムLSIによるこまめな電力制御だとか。
また、HDD内蔵という事で対衝撃性が問題ですが、こちらは対衝撃ダンパーと、落下を検知してヘッドを待避させる「Gセンサー(重力加速度センサー)」を組み合わせて設計されていますから、額面通りに受け取るとかなり丈夫に出来ている模様です。




今まで愛用していたNW-MS70Dと比較してみるとこの通り。比較対象として500円玉も混ぜてみましたが小ささが伝わるかな?
さすがにNW-MS70Dよりは一回り大きな感じではありますが、それでも丁度胸ポケットに入るぐらいの大きさです。基本的には鞄などに入れておいて、引き出した付属リモコンでの操作になるでしょう。
対応フォーマットは132/105/66kbpsなATRAC3と256/64/48kbpsなATRAC3plus。20GBもありますから一番高音質な256kbpsのATRAC3plusでも約2500曲が収録可能です。
PCとの接続はクレイドル経由。今回はUSB2.0に対応しているので高速転送が可能となっています。充電もクレイドルにセットした状態で行う事となります。
データの転送にはSony製品ではおなじみのSonicStageを使用。NW-MS70D時代から(しいて言えばNW-MS9付属のOpenMG Jukeboxから)すでにこのソフトは持っていたので、あらかじめ購入前に手持ちのCDを全てインポート。2.0からようやくCDDBがまともになったのでこれは楽チンでした。
そしてNW-HD1付属のは2.1と0.1だけバージョンアップ。どうやらHDデバイスに合わせてデータ転送の高速化は計っているそうで、データ形式がOpenMG形式(拡張子はomg)からOpenMG
Audio形式(拡張子はoma)変換されます。再圧縮する訳ではないので音質は変わらないはず。あらかじめ4GBほどためていたのですが、1時間弱かかりました。まぁ初回だけですが。
あと、私はすでに手持ちのTAPEだのMDだのはすべてPC側に取り込み済みなのですが、それらを含めて手持ちの音楽データはSoundVQからflacまでさまざま。SonicStageに取り込めるのはMP3とWMAとWAVなので、foobar2000からLAME経由で320KなMP3に変換してなるべく再圧縮による劣化を押さえつつ、ID3タグを埋め込んでおくと取り込み時に認識してくれますから設定してからインポート。フォーマットは悩んだのですが、音質とファイルサイズのバランスを考えて132KbpsなATRAC3。これで約5000曲入ります。これだとビットレート不足を感じることがあるので、出来ることなら256KbpsなATRAC3plusにしたかったのですが、それだと手持ちのデータをすべて転送するには容量不足になりそうでしたから。
そうして準備していると8GBほどたまったので、この2.1から追加された自動転送で持って一気に転送。今までは1曲転送するにもパーセント表示が増えていく様子を眺めていましたが、これはUSB2.0に対応しているので0%→100%へと一気に転送されていきます。それでも途中にチェックアウト回数等の処理が入るのでそれほど高速って訳でもないのですが、まぁ眺めておくだけですからあっと言う間です。
SonyはポータブルHDDプレーヤーをなかなか出してこなくて、6/5にVAIO pocket、6/26にHMP-A1、そして7/10にこのNW-HD1と同時期に連発してきた訳ですが、最後発だからなのか録音だのラジオだのテキスト表示だの画像表示だのといった多機能にふらず、単に音楽再生機器としての機能に特化しているというのは素晴らしいと思いますし、それだけの完成度を備えてはいます。
最近は小型軽量なHDプレイヤーも登場していますが、その中でもディスク容量と連続再生時間は飛び抜けていますし、MDからの乗り換えという意味では断然おすすめ。ようやくSonyもやる気になってきたなという感じがするので、この路線が今後どうなっていくのか、成熟しつつあるiPodにどこまで追いつけるのか楽しみです。
(2004/07/10)
…さて、ここまでは敢えて長所を書いて短所にはふれずに書いてみました。次ページでは主観をいれつつ短所もを書いてみます。